JR山手線での話。
代々木駅の少し手前で、電車が緊急停止しました。
「かなり揺れたな」
「何か起こったんだろうか? 人身事故かな?」
「急いでいるのに、困るなあ」
2、3分後、車内にアナウンスが流れました。
「線路内への人の立ち入りがありました。ただいま
安全を確認していますので、少々おまちください。」
しばらくして、またアナウンスがありました。
「列車最後部に人がぶら下がって乗っておりました。
その人物は、現在、線路内を逃走中です」
車内にどよめきが起こりました。
「へえ。そんなこともあるんだ。刑事モノみたいね」
そして、また、数分後のアナウンス。
「ただいま、線路内を逃走中の人物を確認しております。
現在、代々木駅の200メートル手前の地点ですが、
安全のため、停止しております。
お急ぎのところ、誠に申し訳ございませんが、
もうしばらくお待ちください」
緊急停止から約15分後、ようやく列車は動き出しました。
「大変お待たせして申し訳ございません。
これより、最徐行運転で代々木駅に向かいます」
私自身、次の予定に間に合うか心配していたのですが、
いらいらした気持ちにはなりませんでした。
まわりの乗客も、不安や不満の顔をした人はおらず、
なんとなく、車内はほのぼのした雰囲気で、
乗客に一体感すらありました。
15分以上も車内に閉じ込められるような事態になれば、 こんな雰囲気では無いはずなのですが、やはり、 車掌さんのアナウンスの効果だと思います。
車掌さんは小まめに状況を伝えていました。
ぶら下がっていた人物が線路内を逃走中という情報は、
乗客が知らなくてもよい情報だともいえますが、
そういう情報も含めて、乗客に伝えていました。
乗客が安心して待機していたのも、情報を与えられていたからでしょう。
逆にもし、情報が与えられていなければ、 まちがいなく、車内は、不安と不満の充満した状況に なっていたと思います。
そこで、ふと、思いました。
会社も同じではないかと。
企業経営者・後継者は、会社の経営状況や今後の
方針などの情報を、しっかり社員に伝えることが重要です。
どうせ伝えても仕方がないからと、情報を遮断していると、
知らず知らずのうちに、社内は不安と不満の充満した状況になっているかもしれません。
情報をすべてオープンにはしなくてもいいのですが、安心して仕事に打ち込むために、社員の身になって、必要な情報をしっかり伝えることが大事だと改めて感じました。
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