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大島康義の独り言

 
最近の若者

先月(2009年6月)は、2つの大学で講義をしてきました。

下関市立大学での、キャリアデザインの講義。

もう一つは、京都外国語大学で、インターンシップ生向けのレポート・プレゼンテーションのトレーニング講座。


私の専門は後継者支援・事業承継支援ですが、
大学生にキャリアカウンセリングを行ったり、
このように講義をすることも結構あります。


最近、大学生に接していて、感じることがあります。

それは、彼らの多くが、進路に関して
非常に悩んでいるということです。

大学生なのだから当然だろうということですが、
必要以上に悩んでいるのです。


彼らからの質問や悩みを挙げてみます。


「自分がやりたい職業が見つからないで困っています」

「自分に合う仕事ってどうやって見つければいいですか?」

「自己分析が足りないので、自分のことがわかりません」

「天職に出会うためには、どうすればいいですか?」


私が学生の頃とは違い、近年、大学でキャリア教育が
盛んになってきており、私
が講義に呼ばれるのもそういった背景があります。


文部科学省のホームページには、以下のように書かれています。


「今日、少子高齢社会の到来や産業・経済の構造的変化、
 雇用形態の多様化・流動化などを背景として、
 将来への不透明さが増幅するとともに、就職・進学を問わず、
 進路を巡る環境は大きく変化しており、フリーターやいわゆる
 “ニート”が大きな社会問題となっています。
 このような状況の中、子どもたちが「生きる力」を身に付け、
 明確な目的意識を持って日々の学業生活に取り組む姿勢、
 激しい社会の変化に対応し、主体的に自己の進路を選択・
 決定できる能力やしっかりとした勤労観、職業観を身に付け、
 それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟にかつ
 たくましく対応し、社会人・職業人として自立していくことが
 できるようにするキャリア教育の推進が強く求められています」


私も、このメッセージ自体には賛同しています。

しかし、実際には、キャリア教育が裏目に出て、学生が
変に悩んでいる部分もあるのではないかと感じています。

キャリア教育では、よい職業選択のためには
自分自身の興味・能力・価値観などの
「自己分析」が重要とされていますが、
これを強調しすぎて、変に迷ってしまっているのです。


どうせ就職するなら、自分の興味・
能力・価値観を満たせる方がいいに決まっています。

しかし、大学生は、まだまだ
興味も能力も価値観も定まっていません。

能力は、実際に職業に就いてから、どんどん高めて
いくもので、10年後には自分では予想しなかしない分野で
開花するかもしれません。


興味や価値観についても、職業について何年もしてから、
見えてくるものです。


そこで、私は以下のようなメッセージを強く伝えています。


「学生時代に自己分析をいくらやっても、
 本当の分は見つからない」

「その仕事が合うか合わないかは、
 やってみなければわからない」

「入れてくれる会社が、いい会社だ」

「会社は目的集団だから、
 自分がやりたいことをやることは二の次でよい。
 それよりも、顧客に良い商品やサービスを提供し
 利益を生むという会社の目的を認識し、
 その目的に120パーセント貢献せよ」

「会社に所属し、どんな仕事でも全力で打ち込むと、
 プロフェッショナル性が高まる。
 そしてプロフェッショナル性が高まると、
 自分の本当にしたいことができる」


彼らは、私のメッセージをなんとか受け取ろうとしてくれます。そして、職業に対する見方や、職業観を新たにする学生も多いのです。


最近の学生は、非常に真面目な感じがします。
ただ、それだけに、考え方がずれていると、そのまま、
ずれた中で迷っているような感じです。


今後、ますます、このような学生が多くなっていくと思います。そして、そうした学生が新入社員として会社に続々と入ってくるわけです。


彼らは、言わなければわかりません。ボタンを掛け違えた
まま、会社に入っても悩み続けるでしょう。

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社員の不満

知人の村田さん(仮名)の話。

村田さんは、九州のある製造業の会社に勤めています。
一昨年、その会社の創業社長が病気で倒れ、
長男が跡を継いで社長になったそうです。

その直後に不況のあおりを受け、売上が
前年度の3分の1に激減。

もともと外注の割合が高いので、外注で調節することによりなんとか赤字は免れていますが、会社内の雰囲気はかなり悪くなっているとのこと。


「とにかく、新社長が何を考えているのか
 よくわからないんですよ。新社長の方針が場当たりで 
 合理性や一貫性がなく、管理部、製造部どちらの社員も
 不満が溜まりに溜まってきているんです」

「例えば、自分は、管理部に所属しているんだけど、 
  受注が無く仕事が全然少ないのに、なぜか、
  サービス残業を義務化されてしまったんです。
  そして、なぜか製造部の社員だけが基本給を
  一律カットされたんですが、残業代は
  しっかりつけてもらっているんです」


話を聞いていた私も、その方策の意味が
よくわかりませんでした。

そして、先日、一番優秀な技術者が、
他の会社から引き抜かれたとのこと。


「その技術者は、辞表を叩きつけ、
  社員を代表したような形で、
  新社長に不満をぶちまけて去っていったんですよ。
  彼に代る人材がいないので、
  現場は大変な状況になっています」


いろいろと村田さんは話をしてくれましたが、
社員の不満が充満し、疑心暗鬼も生まれているようです。


社員たちは、

「社長は、裏帳簿を作って、蓄財しているんじゃないか?」

「社員のタイムカードを別に作って、
  ごまかしているんじゃないか?
  そうじゃないと、雇用調整助成金の申請なんて
  できないはずだよな」

「製造機械が壊れても修理してくれないのに、
  社長は自分の車のキズだけは、すぐに修理に出すよな」

「この前、社長室に行ったとき、社長慌てて出てきたけど、
  あれは絶対寝てたぜ! 額に机のあとがついてたから(笑)」

などと、毎日噂をしているのです。


おそらく、社長に直接お会いしてお聞きすると、
社員の話は、事実とは異なる部分が多かったり、
社長なりに意味を持ってやっている事だったりすることが
確認できると思うのですが、社員の口に戸は立てられません。

村田さんは言います。

「新社長は、人柄も良く、ITに強い有能な人です。
  個人的には、決して嫌いではありません。
  でも、社長室に閉じこもっていることが多く、
  現場にも足を向けず、客先にも出向かない。
  私たち社員とも膝を突き合わせて話し合おうとしない。
  舵取りをしない船長のような感じなので、
  正直、経営者としては頼りにならないんです」

「現実はそういう状況を作るのは難しいでしょうが、
  後継者支援を専門にされている大島さんには、
  今すぐにでも社長に会って欲しいぐらいです」

「社長には、私たちが何を考えているか聞いてほしい。
  そして、社長が何を考えているのか話してほしい。
  そして、会社の方向性を示してほしいのです」


村田さん以外にも、最近、このような社員の声を
聞く機会がたまたま何回かありました。


経営者・後継者は、当然、一生懸命頑張っています。
社員も、社員なりに一生懸命頑張っています。

それなのに、コミュニケーション不足で、
ベクトルが合っていないことがよくあると思います。

本当は、同じ船に乗っているはずなのに・・・。

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