私は、TVで総合格闘技DREAMやK-1などを
よく観ています。
1対1の素手での掛け値なしの戦いが、
普段の社会生活で弱くなっている本能を
刺激してくれるからです。
その中で、どこか心にひっかかっていた人がいます。
魔裟斗です。
もともと、魔裟斗については、あまりよい印象を持って
いませんでした。
「魔裟斗」という名前が、なんだか暴走族のようだし、
試合前に相手選手に高飛車な物言いをしているのも
あまり好ましい感じがしない。TVのバラエティ番組でも
ちゃらちゃらした感じもある。
そのため、魔裟斗の試合を見るときは、ついつい相手方に
肩入れしてしまうのでした。
しかし、K-1 WORLD MAX 2008で世界王者に
なったときのトーナメントでは、その壮絶な執念に、
心を揺り動かされました。
佐藤嘉洋との試合で、3Rに左フックでダウンを奪われるも
その後延長Rで形勢逆転し、判定勝ち。
続くアルトゥール・キシェンコとの決勝戦でも、2Rに
右フックでダウンを喫しながらも、3R終了時の判定は
「ドロー」となり、延長Rに判定勝ち。
ついつい熱くなって、K-1を語ってしまいましたが、
倒されて、もう負けだろうと思っても、心が折れることなく、
そこからまさかの驚異の挽回をしてドローに持ち込み、
最終的には王者になってしまう、その精神力の強さに
心を打たれたのです。
この人は本当にすごい人だと認めざるをえませんでしたが、正直、以前からの悪印象とのギャップに違和感が残り、「本当はどんな人なのだろう」という疑問が湧き、
心にひっかかっていたわけです。
先日、「THE21」というビジネス雑誌で、魔裟斗の
インタビュー記事が掲載されていました。その記事を読んで、そのひっかかりが氷解しました。
魔裟斗はこう言います。
「こうしたい」という程度の思いの強さではダメです。
本気で「こうする」と思うから、じゃあ、そのために
何をやらなければならないかということが
わかってくるのです。
この世界は才能だけじゃ勝てない、
死ぬほど練習しなきゃ。
川尻戦の前だって、俺、泣きそうになるくらい
練習しましたからね。なぜそこまでやるかといったら、
俺は勝ちたいという気持ちが誰よりも強いからです。
パンチにしてもキックにしても、それだけだったら
俺より強い選手はたくさんいますよ。でも、絶対勝つと
いう気持ちが弱いから、何発もローキックを
もらったりすると、すぐ心が折れてしまう。
俺は違います。
ナンバーワン以外は負けだと思ってずっとやってきた。
強くなりたければ自分のいちばん嫌いな練習や苦手な
練習をやれといいますね。好きなことやラクなこと
ばかりやっていたら、強くなれるわけがありません。
やはり、これが魔裟斗の勝負強さのもとなんだと納得すると同時に、ちゃらちゃらしているイメージについては、完全に払拭されました。
また、試合前に相手選手に対して高飛車な物言いを
していることについても、魔裟斗はこう言います。
そのほうが盛り上がるじゃないですか。俺たちの仕事
はお客さんに観てもらってナンボなんです。
エンターテインメントとして、あえて、そのような言動を
とっているということなのです。
魔裟斗からは意外な言葉が飛び出します。
それから、「他人の意見に耳を貸せ」というのも
強調しておきたいですね。
反逆のカリスマとよくいわれるんですが、実際は、
昔から俺は人の話をよく聞く素直な子でしたよ。
話を聞いて、とりあえずやってみて、それからこれは
自分に合うかどうか判断する。これができる選手は
強くなります。反対に、誰のアドバイスも聞かない
自分勝手な選手というのは、いつまで経っても
自分の欠点がわからず、修正もできないので、
バランスのいいファイターになれません。人の話が
聞けるって、ものすごい武器なんですよ。
もし、運を引き寄せる方法があるとしたら、それは
笑顔でしょう。いつも笑顔を絶やさない人の周りには、
自然と人が集まってくるじゃないですか。そうすると、
必要な情報が手に入りやすいから有利なのです。
ジムでも、笑顔が爽やかな若手選手には、
こっちから教えてあげようという気になります。
逆に、ムスッとした顔をしてるヤツには
声もかけませんね(笑)。
ずいぶん損をしていると思いますよ。
世界王者になる人は、物事にあたる姿勢がすばらしいと
納得するとともに、心のひっかかりがとれて、
すっきりした気持ちになりました。
すごいと思う経営者・後継者の方々とお会いして私が感じるのは、彼らが、「自社をよい会社にしたい」という程度の思いではないことです。「絶対自社をよい会社にする」と常に思い、何があっても揺らぐことはありません。
また、信念を強くもっていらっしゃる経営者・後継者の方ほど、人の話を素直にお聞きになる。そして、普段笑顔かどうかは別にして、いいところで笑顔を見せる可愛げがあるような気がします。
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