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大島康義の独り言

 
人口減少社会

「早く景気が回復してくれることを望みますわ」


経営者の話をお聞きしていると、よく出てくる言葉です。


でも、本当に景気が回復すれば、業績が向上するのでしょうか。また、景気は、思うような回復をするのでしょうか。


私は、現在、多くの企業の業績が悪いのは、
景気の影響ではなく、もっと大きな環境変化の
影響であると考えています。

環境が変化する中で、その変化の本質に
気付かないまま、枝葉末節の対応に追われ、
結果的に「負け戦」に突入しているように思われるのです。


企業が発展するためには、「勝ち戦」をしなければ
なりません。
そして、「勝ち戦」をするためには、
環境に適応していかなければなりません。
そのためには、経営者は環境変化をつかんでおく必要が
あります。


今、日本で起こっている環境変化で、まず、おさえて
おかなければならないことは何でしょうか。


それは、「人口減少」であると考えます。


国立社会保障・人口問題研究所は、日本の人口は、
2046年に1億人を割り、2100年には、
4771万にまで減ると発表しています。
予測ですから、多少、上下にぶれはあるものの、
日本人口が激減するということは、確実なことなのです。

それでは、人口減少により、社会はどのような変化を
するのでしょうか。


それについては、現代社会研究所所長であり、青森大学社会学部教授の古田隆彦氏の論述に注目しています。


古田氏によると、「人口の増加する社会」と
「人口の減少する社会」とは根本的に異なるといいます。


200年間続いた人口増加の「成長・拡大型の社会」から、
人口減少の「飽和、濃縮型の社会」に日本社会は大きく
移行するというのです。


なにしろ200年ぶりですから、現在生きている私たちの
誰も経験していない社会が到来することになるわけです。


確かに、論じられているその兆しである
「シンプルライフ」、「スローライフ」、「濃縮志向」など、
私たちの身近なところで、すでにその兆候が表れていると
私も実感します。


しかし、この社会構造の変化で、どれだけのことを私たちはつかみ、経営に反映することができているでしょうか。

経営者は、この社会構造の変化を本当の意味で
つかんでおく必要があるといえるでしょう。

私自身、日頃、人口減少という社会変化で叫ばれる
マスコミの論調や政府の様々な取り組みに、
感覚のズレを感じることがあります。

実際、古田氏も、新聞・雑誌・TV等の報道では、社会構造の変化を見誤るので、大いに注意する必要があると警告し、様々な論点から指摘をしており、私自身
大きく共感する部分があります。

例えば、「少子高齢化」の問題です。


世間一般では、

「人口減少で社会はとんでもない状況になる。
 だから、少子高齢化対策を早急にしなければならない」

という論調があります。


しかし、古田氏は以下のように論じます。

(1)
人口減少がもたらす社会は、すべてが縮んでいく
「ダウンサイジング」社会ではない。

(2)
人口減少がもたらす社会は「成熟・濃縮・余裕」社会であり
ゼロ成長でも個人は豊かになる社会が実現するとし、
社会一般の論調は、歴史を知らないがゆえの誤りである。

(3)
そして少子高齢化対策も、大きなうねりである人口減少の
前には、焼け石に水であり、人口減少に抗うのではなく、
人口減少に適応していけばよい。


また、「少子高齢化」自体の捉え方についても、
別の見方ができるといいます。

確かに、15歳未満を子どもと捉え、65歳以上を高齢者と
捉えると、子どもは減り、高齢者は増えることになります。

しかし、古田氏は、「増子・中年化」というほうが、
真実に近いのではないかといいます。

つまり、平均寿命が長くなった現在では、
25歳未満を子ども、75歳以上を高齢者、その中間を
中年とした方が、実情を表しているといえ、
その定義を当てはめると、子どもは増え、高齢者は減り、
中年が増えるというのです。

そのように捉えると、経営者としては全く別のものが
見えてくるかもしれません。


古田氏も指摘しています。

(1)
30歳を過ぎても、少年的世界にどっぷり浸かっている男性が意外に多く、40歳に近い男性たちですら、通勤電車では携帯ゲーム機に夢中になり、自室に戻ればアニメやゲームに熱中する。女性たちも、キティのキャラクター商品を手放さないという「アダルト」ならぬ「コダルト」という「増子化」が進んでいる。すなわち、「新子ども市場」というものが出現している。

(2)
74歳までの超中年化と捉えると、介護、医療、葬儀ビジネスの前に、65~74歳の「ハイパーミドル」に向けて、勉学、トレーニング、遊びといった新市場の拡大が読めてくる。


200年ぶりに社会構造そのものが変化するということは、
根本的に企業経営が変わるということを意味します。


社会構造の変化と、それに伴う市場の変化、消費者ニーズの変化に気付いて、対応するか否かが、21世紀に「勝ち戦」ができるかの分かれ目になるといえるでしょう。


「人口減少、飽和、濃縮化」という新しい社会の中で、
経営者・後継者であるあなたは、どのように道を
切り開いていかれますか。

何にチャンスを見出されますか?


人口減少社会に興味のある方は、古田隆彦氏の以下の書籍を読んでいただければと思います。


「増子・中年化社会のマーケティング」生産性出版 

「日本人はどこまで減るか」 幻冬舎 

「人口減少逆転ビジネス」日本経営合理化協会出版局 

「人口減少社会のマーケティング」生産性出版 


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