みなさん、あけましておめでとうございます!
2月も中旬になった今更、新年の挨拶とはどういうこと?
と、思われるかもしれません。
実は昨日(2月14日)は、旧暦の元旦でした。
そして今日(2月15日)は、旧暦でいう一月二日に
あたるのです。
旧暦と新暦は一ヶ月~一ヶ月半ずれており、今年の場合、
旧暦の一年は2010年2月14日から始まり、
2011年2月2日(大晦日)で終わります。
私は普段から、旧暦と新暦を見合わせながら
生活をするようにしています。
古来から、日本人は月の満ち欠けを基準に作られる旧暦を時間軸にして、常に自然と一体となって生きてきました。
しかし明治6年に太陽の運行を基準とする新暦
(グレゴリオ暦)が使われるようになり、
旧暦はほとんど使われなくなりました。
しかし、今でもそのなごりは随所に残っています。
たとえば、現在1月1日の元旦を迎える際に、
「迎春」とか「新春」といいますよね。
気候は冬の真っ只中であり、春を迎えるどころか、
むしろ、これから一年で最も寒くなってくる季節です。
それなのに、どうして、「迎春」や「新春」というのでしょう。
実はこの「迎春」・「新春」という言葉は、
旧暦の元旦(新暦の2月半ば)に合わせた言葉なのです。
2月半ばであれば、まさに春はもうすぐそこ。
旧暦を意識してみると、今は旧暦の正月であり、
まさに「迎春」・「新春」という言葉がぴったりきます。
寒い中にも、少し暖かさや花の開花を感じ、
古来から日本人が感じてきた春を迎える喜びを
感じることができます。
また6月のことを「水無月」といいますが、水が大いにある
梅雨の季節である6月をなぜ「水無月」というのでしょう。
これも実は、旧暦の月の名称になります。
「水無月」は、現在でいう6月よりも約一ヶ月半ほど遅い
7月~8月であり、まさに猛暑が続き水も枯れ果てる晩夏にあたるのです。
それを知ると自然の意味合いとして理解ができます。
また、「三日月」・「十五夜」という言葉はなじみがありますね。旧暦では一ヶ月は毎月必ず新月からスタートし、日が経つにつれ月はだんだん丸くなり、十五日は満月になります。そして、だんだん細くなり新月に戻ります。
この周期が30日。
昔の人は、月の変化を目印にしており、カレンダーを見なくても夜空を見上げると、「今日は満月だから15日」とか、「今日は三日月だから 新月から3日経ったんだな」と、月の形からだいたい今日が何日であるかを知ったものです。
同様に歴史においても自然とのつながりは欠かせません。
不意に敵を攻撃する夜討ちや奇襲をかけるときには、
月明かりのない暗い日が狙い目ですよね。
(昔は電灯などありませんので、月光があるかないかは
大きな違いでした)
たとえば、明智光秀が織田信長を討った本能寺の変なども天正十年六月一日というまさに新月の日であり、夜討ちに最適の日だったということがわかります。
本来、日本人というのは自然に対して敏感です。
夜空を見上げれば、時間の変化を知ることができ、
耳を澄ませば、四季の変化にふれることができ、
誰にでも自然は生活の中にあり、とても身近なものだったのです。
ところが今は都市部に住んでいると、
全くといっていいほど季節を感じることができません。
虫の声、野菜、草花木、祭り、など あちらこちらに季節を知るものがあるはずなのに、
自然や季節を肌で感じることが本当に難しくなってきています。
さらに、季節を表す言葉は残っているものの、旧暦から新暦に完全移行したことにより、その言葉が指す意味を肌で感じることができなくなっているのです。
もちろん、新暦(グレゴリオ暦)を取り入れることにより、
世界の人々と日付を同じくすることができ、
交流しやすくなるという利点もあります。
しかし、旧暦を捨てることにより、そこにある歴史、
蓄積されてきたノウハウといった良いものが大いに
失われている可能性もあるのです。
それは、日本人の持っていた古来より存在する美意識、
風情や感性といったものかもしれませんね。
暦の話に限らず、新しいものを取り入れるときには、
今までの資源、価値あるものを失わないように
良いものはエッセンスとして残していく、古いものを
併用していくということが大切であると感じます。
私は旧暦を時折意識するようになり、月が出ていない夜空を見て、今日は昔でいう月初めなのだなと、別の時間軸を実感するようになってきました。
今日2月15日を旧暦の正月と意識し、改めて「迎春」・
「新春」と思うと、少し暖かくなりつつある季節を
味わうことができ、楽しい気持ちになり、
自然と一体化した豊かさが生まれてくるから不思議です。
みなさんも時折、夜空を少し眺めてみてください。
月はどのような形をしているでしょうか。
旧暦を意識し、もう一つの時間軸から自然を感じてみては
いかがでしょうか。
新たな視点をもたらしてくれるかもしれません。
|