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後継者に告ぐ 早く気付け!早く取り組め! ~事業継承の落とし穴~

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後継者の知恵習得シリーズ 「リーダーシップ」

後継者の知恵習得シリーズの第3回として、後継者の「リーダーシップ」について、問題提起させていただきます。

はじめに、企業の「人事」を語る上で、必須である経営者の「リーダーシップ」
について、簡単に解説しておきます。
「経営用語の基礎知識」では、「リーダーシップ」を以下のように定義しています。



「リーダーシップ (Leadership)」

 ▼「経営用語の基礎知識」での定義

企業変革の際に
変革を指揮するトップや、変革を支えるミドルなくてはならない能力 
  

環境は絶えず変化していくわけですから、企業が生き残っていくためには、
経営者は環境変化に適応し、企業自体を変革していかなければなりません。
すなわち、このリーダーシップの定義は企業変革を前提としたものとなっています。
ここで、もう少し噛み砕いたリーダーシップの定義を考えてみたいと思います。 


「リーダーシップ」とは、一般には、リーダーとしての素養・能力・統率力のこと
であり、リーダーシップの理論では、以下のように定義されます。

「リーダーシップ(Leadership)」

 ▼「リーダーシップ理論」での定義

   人を通して課題を達成していくこと 


この定義を分解すると、「人を通して」という部分と「課題を達成していくこと」
という部分の2つに分けられます。

つまり、「課題を達成していくこと」がリーダーシップの目的であり、
「人を通して」とは、その手段と捉えてもよいでしょう。 

この2つの切り口は、時代がいかに変わろうとも変わることのない
「リーダーシップの普遍の2軸」であると考えられています。(下図)

 
 
この定義から考えると、リーダーは、この2軸の両方を兼ね備えていなければならないということになります。
 
 
(1) リーダーは、業績に対する関心を強く持つとともに、人に対する関心         
   を強く持たなければならない。

(2) リーダーは、Pパフォーマンス行動(業績達成行動)をとるとともに、
   Mメンテナンス行動(組織維持行動)をとらなければならない。

(3) リーダーは、構造作りをするとともに、配慮(思いやり)を示さねばなら       
   ない。 
(4) リーダーには、IQ(インテリジェンス)が必要であるとともに、
   EQ(エモーショナル)が必要である。
 

リーダーは、上記のようなことが求められるわけです。


  
 1.「リーダーシップ」は後天的な能力

あなたは、社員から次世代のリーダーとして信頼されていますか?
もしかして、頼りがいのない後継者と思われていないでしょうか。 
組織のリーダーは、人を通して課題を達成していくことが求められます。              
自分ひとりだけでは、何事も為し得ません。                             

しかし、経営者としての知識も経験も豊富でないかもしれないあなたが、                      
いかに社員を統率していけばよいのでしょうか。 

それには、リーダーシップの鉄則を学び、自分自身を知った上で、                  
リーダーシップを少しずつ体得していけばいいのです。                       

幸い、リーダーシップは先天的な才能ではありません。                       
リーダーシップは、後天的に身につけることができます。                 
リーダーシップに自信のないあなたも安心してください。                            
これから、真のリーダーシップを身につけていくことが可能なのです。


2.後継者が陥る「リーダーシップ」の落とし穴

特に後継者に見受けられる、リーダーシップの落とし穴について
述べていきましょう。

(1)リーダーシップの2軸のどちらかに偏ってしまう 

あなたはリーダーシップの2軸を、両方とも押さえているでしょうか?
多くの後継者は、リーダーシップの2軸の意識がありません。
無意識のうちに、2軸のどちらかに偏ってしまいます。

「課題・仕事の軸」が強く、「人・組織の軸」が弱い後継者 

いわゆる「やり手」といわれる後継者に多いタイプです。

業績を上げるために、自分自身一生懸命仕事に取り組みます。
社員にどんどん指示・命令します。
反面、人間的配慮や思いやりに欠けるところがあり、社員の話を聞きません。
社員から慕われず、社員の自主性を引き出すことができません。

職場はぎすぎすした雰囲気となり、社員が定着しません。
業績が良いときはいいのですが、一旦業績が下がり始めると、
いくら挽回しようとしても、社員の協力が得られず孤立してしまいます。

「人・組織の軸」が強く、「課題・仕事の軸」が弱い後継者 
 
いわゆる「いい人」といわれる後継者に多いタイプです。

社員の状況や気持ちに配慮し、社員と良い関係を築こうとします。
反面、業績への関心が薄く、業績を上げるための力強い行動は見られません。
社員と少しでも葛藤があると、すぐ妥協してしまい、方針が徹底しません。

このような企業は、同じ目的に向って力を結集する集団というよりも、
仲良しクラブのようになってしまいます。
このような後継者は、当然、業績を上げることができません。
結果として、社員からの信頼も得られず、
社員と良い関係を築くこともできなくなってしまいます。
 
 
(2)親父や名経営者の物まねに陥ってしまう
  
後継者の中には、親父さんそっくりの言動をとる方も見受けられます。

もちろん、親父さんのリーダーシップを、ずっと傍で見ているわけですから、
自然と似てくるのも当然かもしれません。
しかし、親父さんと同じ口調や態度で社員に接している後継者を見ると、
違和感を感じる場合もあります。

本人は全く違和感を感じていないかもしれませんが、
年齢も経験も異なる後継者の言動としては、無理のある場合があります。

社員は黙っていますが、心の中では
「なぜ、この若造に、このように偉そうに言われないといけないんだ」
「形だけ真似たって、威厳なんか感じないよ」
などと感じていることがあります。

また、名経営者の話を聞いたり、書籍を読んだりして、その言動を真似る後継者もいます。

もちろん、そのような努力は評価すべきですが、
自分自身の身の丈やキャラクターにあっていないと、形だけの物まねに陥ってしまいます。
 
 
(3)親父を反面教師にしすぎる
 
逆に、親父さんを反面教師にしすぎる後継者もいます。

つまり、親父さんのやり方に反発し、
「自分は親父のやり方だけは絶対とらない」
と考えて、極端な言動に走るケースです。

例えば、親父さんのワンマンぶりが気に入らない後継者が、逆に、
社員の考えや気持ちに配慮しすぎるスタイルになってしまう場合などです。

親父さんを反面教師にしすぎる結果、バランスの偏った
リーダーシップ行動に陥ってしまいます。
 
 
(4)リーダーとして気負いすぎる
 
リーダーとはこうあるべきだ、という思いが強すぎて、
気負いすぎている後継者もいます。

もちろん、リーダーである自分を意識するのはよいことですが、
気負いすぎても空回りしてしまいます。

社員は、万能のリーダー像を期待しているわけではありません。
もちろん将来、リーダーとして成長していくことを内心期待しているでしょうが、
今すぐにすべてを望んでいるわけではありません。

それをわからず、気負いすぎたり、強がったりしても、
真のリーダーシップは発揮できません。 


3.「リーダーシップ」のツボ

それでは、「リーダーシップ」に関して、後継者はどのように取り組むべきなのか、
そのツボを紹介します。

(1)業績にシビアになる
 
リーダーシップの第一歩は、業績にシビアになることです。

いくらきれいごとを言っても、業績が上がらなければ企業は存続できません。
極めて当たり前のことです。
この冷徹な事実に、まず目を向けることが重要です。

業績にシビアになるとは、短期的な業績を意識することだけではありません。
中長期的に業績の上がる企業にするために、どういう戦略をとっていくのか、
どういう仕組みを作っていくのか等を徹底的に考えて、実現していく執念を意味します。
業績が上がってこそ、社員は飯を食うことができるのです。

この後継者についていけば、飯が食えるという感覚を与えることができるか
どうかが、後継者のリーダーシップの試金石といえます。
 
 
(2)コミュニケーションの能力を磨く
 
後継者は、コミュニケーションの能力を磨いていく必要があります。

近年、個人の能力を最大限に引き出し、自立型人材育成のために
欠かせないコミュニケーション・スキルとして、コーチングが脚光を浴びています。
そのスキルを学ぶことは、非常に有益です。
まずは、コーチングのスキルのうち、「傾聴のスキル」と「承認のスキル」
を押さえておきましょう。

「傾聴のスキル」とは、話を聴くためのスキルです。

傾聴とは、単に言葉を聴くだけではありません。
相手の気持ちや感情など、全てに関心をもって聴くことです。

社員の話を途中で遮らずに徹底的に聴くことにより、
社員の考えていることや、感じていることがよくわかるようになります。
同時に、社員も信頼を寄せてくれるようになります。

「承認のスキル」とは、相手の成長や変化を認めて、相手に伝えるスキルです。

人は誰でも、正当な評価をされたいという、承認欲求を持っています。
社員の働きに感謝の意を表したり、良いところを認めていくことによって、
社員は満足感を得られ、モチベーションが上がります。

一度、コーチングのスキルを学ばれることをお勧めします。
 
 
(3)自分自身のリーダーシップスタイルを徐々に創る
 
リーダーシップには鉄則がありますが、リーダーシップスタイルは、
個々の経営者によって異なっており、ひとつの型があるわけではありません。
後継者であるあなたは、親父さんや名経営者と言われる人たちからリーダーシップを学ぶことはできますが、そのスタイルをそのまま踏襲できるわけではありません。

まず、自分自身の強みと弱みを知ることから始めてください。
 
あせる必要はありません。

リーダーシップを少しずつ体得していこうとする姿勢こそが、
求められていると考えてください。
「リーダーシップの普遍の2軸」等の鉄則を押さえながらも、あくまでも、
自分自身のリーダーシップスタイルを徐々に創っていけばよいのです。



 

 
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