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後継者の意識変革の 事例パターン


経営者・後継者の方々から相談を頂く場合、
相手の話をじっくりと傾聴し、思いをしっかりと
受けとめることを、私はいつも心がけています。

今回は、後継者の話をじっくりとお聞きすることにより、
前向きな意識に変革する事例パターンをご紹介したいと思います。
(フィクションにしてあります。)



社歴20年のK社は、従業員15名の小売業。
63歳の創業社長からの相談です。

「32歳になる息子を後継者に考えているのですが、
親子関係がうまくいかずに困っています。
息子は入社して12年、現在は専務取締役です。
以前は特に問題は無かったのですが、
2年程前からは、関係が全くうまくいっていません。
周囲にも私の批判ばかりしているようです。」


私は社長の話を2時間近くお伺いして、会社の状況や、
社長がお悩みのことは、よく理解できました。
しかし、何かひっかかる感じが残ったので私は尋ねました。

「社長、他に何か気になっていらっしゃることはないでしょうか?
ご子息の専務の態度も、何か変ですよね・・・・」


社長は、しばし沈黙の後、話を続けられます。

「大島先生、ちょっと言いにくいことなんですが・・・・
実は、私に女性関係がありまして・・・・・ええ・・・・
その問題がばれてから、息子の態度が一変したんです。」

「ああ、そうでしたか・・・・」


社長の話によると、自分が悪い部分も大いにあり、
なんとかしたいとは思っているが、
息子にも、会社を無断で欠勤したりという問題もある。

現在、経営状況は厳しくなってきている。
自分は歳も歳なので、頭が良く仕事もできる息子に
できれば2年以内に代表権を譲りたい。

しかし、息子に会社を継ぐ気があるのか無いのかが
よくわからない。と。



数日後、社長のご子息である専務とお会いしました。


専務の態度は、
「社長が会えと言うから、いやいや仕方なくお会いする」 
という感じが、ありありとうかがえます。  


こういう状況では、
相手と信頼関係を築けるかどうかが勝負所です。

私は自分自身が後継者として苦労した体験があることと
現在は後継者の視点から、後継者専門の支援活動を
していることをお伝えしました。

その上で、専務のお話をじっくりと伺いました。


専務は、日頃感じていることや不平など、
ぽつりぽつりと本音を話しはじめました。


そして途中からは堰を切ったように、
社長の浮気や経営姿勢への不満を激しく語ったのです。


私は、話の腰を折ることなく、一切否定せず、
徹底的に専務の話を聴き、共感を示します。

「ええ・・・・なるほど・・・・・・
それは、本当に腹が立ちますよね。
そうでしたか・・・・・・・わかります・・・・」 



2時間、話し続けた専務は
毒が抜けたように、すっきりした表情に変わり、
話す内容も少しずつ変化してきました。

「でも、社長の悪口ばかり言っても仕方がないですよね。
結局、後継者の私がしっかりやっていくかどうかですよね。」



その後4ヶ月にわたり、私は専務の相談にのりました。
そのたびに専務の意識と、行動が変わっていきました。

「社長(親父)の批判をしたくなるのは、将来に対する
不安から逃げようとする、自分の甘えなんですよね。」と、
専務は冷静に現状を受けとめられるようになりました。

こうして、次期経営者として会社を担う立場であるという
認識が深まっていったのです。

それにつれ、社長との関係も修復していきました。



以上、フィクションにして事例パターンをご紹介しました。

このように、後継者である息子は、
社長である親父に対しての不満や
現状に対しての不満が溜まっていることがよくあります。

そういった場合、誰かが、後継者の話をじっくりと聞き、
その思いを受けとめることが重要です。

そうすれば、溜まっていた不満が少しずつ解消し、
本来自分の果たすべき役割や、やるべきことに
後継者の意識が向いていくのです。

 


 

 
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