日々の事業承継支援の実践の中で気付いたのは、
経営者と後継者が親子の場合、事業承継は、両者の意識や関係性から、
3つの段階(レベル)があるということです。
この3つの段階を低いレベルからわかりやすく表現すると、
レベル1「ボケボケの事業承継」の段階、
レベル2「オレオレの事業承継」の段階、
レベル3「ワクワクの事業承継」の段階
となります。
私自身が事業承継の支援を行う場合、経営者と後継者が
これらの3つのどの段階にいるかを把握し、
「ワクワクの事業承継」になるような働きかけを
するようにしています。
今回から3回にわたって、
この事業承継の段階(レベル1~レベル3)について
述べてみたいと思います。
まず今回は、レベル1「ボケボケの事業承継」についてです。
「ボケボケの事業承継」の段階の経営者は、ほとんど
事業承継について意識がありません。
なんとなく事業承継を
「将来のことだし何とかなるだろう」と思っている。
あるいは、
「業績も低迷しているし、どうせ俺の代で終わるかも」と
経営者としては無責任な姿勢が見受けられます。
また、この段階の後継者は、事業承継をあたかも
他人事のように捉えています。
事業承継のことは「親父が考えてくれているだろう」と、
親父任せにしている。
あるいは、「いずれ時期が来たときに考えたらいい」と
高をくくっている。
もしくは、「業績も悪いしあまり考えたくない」と、
事業承継について考えること自体を放棄しています。
このように、経営者・後継者の両者の意識や姿勢が、
「他者依存」、「無責任」、「現実逃避」であるため、
両者とも事業承継について真剣に考えることはなく、
当然具体的な行動を起こすこともありません。
もちろん事業承継の取り組みは、いつも先送りとなっています。
さらに、この「ボケボケの事業承継」の段階での
経営者と後継者の関係は、「ボケボケ無関心型」と
「ボケボケ仲良し型」の2つに類型されます。
●「ボケボケ無関心型」
経営者と後継者はお互いに対する関心が薄く、
行動を共にすることは少なく、ほとんど会話もありません。
●「ボケボケ仲良し型」
経営者と後継者は会話も多く、よく一緒に出かけたりと、
関係は良好です。
しかし、経営や事業承継などの重要な会話は
ほとんどありません。
つまり、親子としての関係は良好なのですが、
経営者と後継者としての関係や役割意識が希薄なのです。
「ボケボケ無関心型」、「ボケボケ仲良し型」のどちらにしても、
事業承継の問題は、水面下で悪化の方向に向かっているか、
取り返しのつかない状況に陥っていることが多くあります。
ところが、当事者自身は、それに気付かず、
いわば「ボケボケ」の状態にあるのです。
この段階の経営者・後継者に対しては、
このまま事業承継の取り組みを行わないと、
どのような事態が起こるのかを具体的にお伝えし、
危機感と主体者意識をもっていただく働きかけを行います。
そして、レベル2「オレオレの事業承継」、もしくは、
レベル3「ワクワクの事業承継」の段階に進んでいただくわけです。
私自身が、企業後継者であったとき、親父の会社に入社してから、
阪神大震災までは、まさに、この「ボケボケの事業承継」の段階に
いました。
経営者・後継者のみなさんは、この「ボケボケの事業承継」の
段階にいることはありませんか?
次回は、レベル2「オレオレの事業承継」について述べます。
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